台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―



――……

「がんばったね!!大和〜!」

待機場所に戻るなり、同じく振られたり、告白の時を待っているキャストたちが駆け寄ってくる。

――その中に、彩加もいて。

「大和、次っ!次はもっといい恋がきっとできるから!
撮影は終わるけど、これからもお互い頑張ろうね!!」

俺の肩をバシバシ叩きながら、やっぱり俺以上に泣きそうな顔。


(もうこれっきりの人の言い方だ)


そう思ったら切なくて、でもなぜか笑顔にもなれて。

「うん。彩加も、元気で」

「? まだ別れないよ?エンディングの撮影あるじゃん」

きょとんとしたその顔を、可愛いと思う分だけちょっと痛い。

今はまだ、なんの障害もなく自分の恋心に正直になれる解放感に満たされて、綺麗な別れを選べた。

けれど。

この撮影が完全に終わって、元いた場所へと帰った時――


彩加にちゃんとしたお礼も、少しの思いも伝えず、別れてしまったことを死ぬほど後悔することになる。


――俺には、その後悔を取り戻すチャンスの夏が巡ってくるんだけど……


それは本当に、奇跡みたいなことだったと思うんだ。