――言えない恋心を抱えたまま。
数日なんて、あっという間に過ぎていった。
「――だから、俺は、栞のことが好きです。
裕太じゃなくて、俺を選んでほしいと思ってる」
運命の告白タイムは、足跡ひとつない雪原の中だった。
台本に沿って一生懸命考えた、好きになったきっかけや理由を並べて、カメラの前で用意していた愛の告白を捧げる。
栞は申し訳なさそうな顔をしているのに、どこか喜びも隠しきれていない。
「……ごめんなさい。大和のことは好きだけど、私には、どうしても裕太が……」
返ってきた用意された台詞に、心底ホッとする。
「……うん、わかった。
俺の話、聞いてくれてありがと」
「ううんっ、私こそ……!
好きになってくれて、ありがとう」
ようやく終わった、台本通りの恋。
自分自身を偽って演じなくちゃいけないなんて、もうこんなこと、懲り懲りだ。



