この三日間だけでも、彩加は俺の不憫な恋の進捗に、俺以上に怒って、落ち込んで、切ながっていた。
「いいよ、俺は。栞が笑ってればそれで」
――別に、本心で想っているわけではないし。
「だー!そんな弱気でどうすんの!
よし、ここはあたしが――……」
「大和っ……」
カラリとキッチンの引き戸が開いて、栞が顔を覗かせる。
眉尻を垂らして、雨の中に捨てられた子犬みたいな顔。
後に続く言葉が読めた。
「2ショットタイム、いい……?」
「あ、……」
「どうぞどうぞ!」
初めて返事に詰まった時――
皿を持った彩加が、肘で俺の背中を押した。
「……!」
それを見た栞は、驚いた顔をする。
彩加がハッとして、からからと豪快な誤魔化し笑いをした。
「……って、あたしが言うのも変か!
でもどうぞ!ここはあたしにまかせてっ」
彩加がパチパチと俺に向かって瞬きをする。
目の開きに左右差があったから、多分アイコンタクト代わりのウインクのつもりだったんだろう。
「……ありがとう、彩加ちゃん。
じゃあ……大和、いい?」
彩加を見れば、「ガンバ」ってバレバレの口パクをしてくるし。
「……うん。今行く」
“大和”としても、栞を優先するしかなかった。



