彩加はあっという間に俺の隣に並ぶと、バン!とシンクを叩いてこっちを睨む。
メイクの力で陰影がくっきりとした顔立ちは、近寄りがたいギャルって感じなのに――
人工的なまつ毛に覆われた瞳だけは、やけに澄んでいて純粋だった。
「一人だけ負担背負うとか、よくないから!
今日はあたしも手伝うし――みんなにも言って、明日からは当番制ね!」
……唖然。
偏見だけど、誰とでも初対面から打ち解けていた彼女は、どちらかといえば、日陰者は眼中に入れないタイプかと思っていたのに。
「――いや、いいよ。皿洗いしてる時間、好きだし……」
「ゲッそんな人いるの!?そんならいいけど……。
……いやっ、でも!ならあたしも手伝うから!」
「ええ――……」
こうして、この日から俺と彩加は、勝手に皿洗い当番になった。



