閉じていた感情が顔を覗かせたように、爽真の目が見開いて止まる。
答えを確信した美玲の瞳が揺らいで、それでも静かに微笑んだ。
「……もし、そうだったとして。
それが爽真くんにとって幸せなことに見えないから、私は納得できないの」
弱々しい口調。控えめな態度。
でも、日に反射して光る爽真をまっすぐ見つめる瞳は、強かった。
「瑠奈ちゃんを見てる時の爽真くん、ずっと苦しそうだもん。向日葵畑に行った日も、花火大会の日も、みんなで宿題した日も、今日だって……
いつも悲しいって、傷ついているように見えて辛かった」
爽真の表情は、固まったまま動かない。
夜色の瞳に感情が揺らぐ様を初めて目の当たりにした美玲の顔が、切なそうに曇っていった。
爽真の目が、静かに元の大きさに戻っていく。
本人にすら渡したことのない言葉を心の奥にしまい込んで、無機質に美玲の方を見た。
「……白石には、関係ない」
「あるの」
線を引こうとしたのを、即座に美玲が覆す。
ミルクティー色の髪に夕日混じりの日が当たって、ヒロインの輝きを生み出した。
「私のストーリー。結末は選んでいいって言われたの」



