「あ、陸。爽真と紫苑、来るって?」
男子フロアの階段から音もなく降りてきた陸に、大和が気づいて声をかける。
「……ぅえっ!?……あっハイ……たぶん、そのうち?」
「なんだよ、その煮え切らない返事……」
「ていうか、なんでそんなキョドッてんの?」
「え゛っ」
確かに。陸の目は痙攣してるのかってくらい左右に振れて、落ち着かない。
口端もぴくぴくと震えて、なんとか笑顔を作ろうとしてるのに全然できていない。
「俺は断じて!断じて何も見てないっス!」
目線を下にして、陸は一切誰とも合わせようとしない。
いつか、脱衣所に落ちていた下着を拾った時と全く同じ反応。
……怪しい。
何か隠している。
そしてそれは、爽真と紫苑絡み。
裏での紫苑と爽真のことを思うと、嫌な予感が胸をよぎる。
紫苑には、私の秘密を握られている弱みもある。
追求しない選択肢はない。
まずは陸から聞き出さなくちゃ。
「……陸くん♡お話ししてごらん?
瑠奈、誰にも言わないどいてあげるから」
すくっと立ち上がって、階段下から動かない陸の前に迫る。
陸が威嚇する犬みたいに飛び退いて、シャーッと毛を逆立てた。
「誰にも言わないも何も、全員いるんだからここで言ったら筒抜けだろーが!」
「引っかからないか♡陸くんが思ったよりお利口さんで、瑠奈びっくりしてるよ〜」



