台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―




男子フロア、階段の近くから数えて2番目の部屋。

ワイシャツを脱ぎ捨てた紫苑が、隠すこともなく豪快にインナーシャツを脱ぎ出す。


「うわ、Tシャツびしょびしょ!気持ち悪ー」


汗で重くなったシャツを摘んで、自分の椅子に投げて引っ掛ける。

そのすぐそばにいた爽真も、紫苑に背を向けてシャツの裾を捲り上げた。


窓に差す傾き始める日の光を受けて、キラキラと輝いていた蜂蜜色の目が静かに座る。

弧を描く唇からゆっくりと息を吸って出た声色は、どこか鋭かった。


「ねぇ、爽真さ。
……昨日の夜、瑠奈ちゃんと何かあった?」


暗く落ち込んでいた夜色の目が、不快を示して細くなる。
反応しないと決め込んだ薄い唇は、より真っ直ぐ引き締まった。


「……」


何も言わず、爽真は雑にシャツを脱ぎ捨てる。
紫苑が態とらしく呆れたため息を吐いた。


「また無視?……まぁいいけど」


紫苑は爽真の背中を見つめたまま、笑みを深める。
そして、怖いほど穏やかに打ち明けた。



「俺にもあったし。
瑠奈ちゃんとの、何か」