――30分後
「よーし、後はみんなの名前入れたら完成だねっ」
額の汗を拭って、彩加が清々しく息を吐いた。
「どこに書きましょうか〜?」
「はいはい!真ん中!真ん中にドーンと!」
「陸はホントにセンスないなぁ」
「そこが陸くんのいいところなんだよ」
「……美玲。多分それ、褒めてないかも」
みんなが大きな壁画を見渡しながら、そこだここだと盛り上がっている。
「この下の辺りいいんじゃない?海のとこ、青一色で白文字が映えそう」
「あーっいいね!」
「さすが紫苑くんですっ」
一歩引いて見ていた紫苑が、自然なタイミングで輪の中に入っていく。
そこに入っていかないのは、私と爽真の2人だけ。
(“瑠奈”は、どうしようかな)
爽真は多分、美玲が誘う演技の受け待ち。
だからそのうち回収が来る。
私は、空気読まずに全然違うところに書こうとしようか。
それとも、紫苑の隣を死守しにいく?



