台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


このシェアハウスは、海に面する側と、道路に面する側がある。

そして道路側は、白い塀でL字に囲われている。

その一面、全長約70メートルの塀にみんなでデザインした絵を描こう!

――という企画だ。


このシェアハウスは、もともと宿泊施設として使われていたもの。

それが恋リアの舞台に使われて、今、アオバケロケ全日程終了後の宿泊予約が殺到しているらしい。


(つまり、ロケ地が特定されるくらいアオバケの注目度が高いってこと。
最近たまに、聖地巡礼に来たっぽい観光客見かけるしな)


この絵を描くのは、塀の内側。

後にここに泊まった人だけが、この絵を見られるという実に商売上手な演出。


「腕のとこ、ペンキついてるよ」
「あっ……ほんとだ。気付かなかった」

数十メートル先に、いつもの王道ピュア恋を繰り広げる紫苑と美玲。


「陸くんっそれはなんですか?」
「どう見ても向日葵だろ!」

「アメーバかと思った」
「未知の生物感あるよね」

ひより・陸・彩加・大和もなんだかわちゃわちゃとしている。


ピュア恋に乱入するタイミングを見計らっている私は、握ったハケで、腕の長さいっぱい波打つ曲線を描く。


これは海。


他に描くのは、青空と、太陽と、向日葵に花火。

アオバケの思い出詰め込みセットみたいな、まとまりのないガチャガチャした絵になる予定だ。