台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


「……!」

びっくりして隣を見れば、紫苑はこっちも見ずに涼しい顔で映画を見ている。

反応している私がおかしいみたいな態度だ。

「……」

これは、下手に反応したら負けなやつ……!

恥ずかしがっても嫌がっても、多分この人はオモチャにしてくる。


(映画に集中しよ、気にしない気にしない……)


そんなふうに思ってるのに――

手を繋いでいることを忘れかけた頃、それ思い出させるように不規則な間隔で握り直してくるから。


(……。少しも集中できないんですけど!)


顰めっ面の私と、どこか楽しそうな紫苑がスクリーンの光に照らされてチカチカと点滅していた。