「ていうかさ。“瑠奈ちゃん”な態度やめない?
今の瑠奈ちゃんに合ってないし、フツーに悪目立ちしてるし」
「え」
指摘されて、周りを見る。
ポツポツといるお客さんは、うんと年上ばかりの人ばかりなこともあって、確かに私たちは目立っている。
サッパリした格好のくせにくねくねした立ち姿の私は、異様な目で見られている。
もしここにアオバケ視聴者が来ようものなら、バレることもあるかもしれない。
(でも、紫苑の前……っ。うーん……)
ちら、と紫苑を盗み見る。
その顔は相変わらず微笑んでいて、楽しそう。
(どうする。どうする……)
背景はボロボロの映画館。
ここは現実。仕事外。
「…………。今だけだから!」
素の声で眉を顰めて、睨みを利かせる。
そんな私を見て紫苑の笑顔がさらに蕩けた。
「うん。それでいいよ」



