台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―

8月20日。金曜日。
7:30。

久々に実家に帰った私は、どシンプルなTシャツ姿でストンと伸びたストレートヘアもそのままに、ぼーっと洗面台の前に立っている。

昨日はちょっとだけ事務所に寄って、社長と喋って、そのあとは家でひたすらだらだら。

るなのイメージがだんだんただの嫌なやつから、キャラとして受け入れられる方向に向かってきたからか――
少し仕事の依頼も来ているようで。

社長にめちゃくちゃ褒められた。


(嬉しい、最高。私の夢にもどんどん近づいている)


そう思うのにイマイチ上がり切らないのは、私の心がおかしくなってしまったからだろうか?


(ずーっと堂々巡り。よくない、切り替えないと)


その原因は、爽真に抱く感情の答えを先送りにしてることだって、頭の片隅ではわかっている。

けれど、そこを直視した先に待っているものは、私にとって都合の悪いことばかりだから。


(今日は映画!レッツ・エンジョイオフタイム!)


水道のバーを全開にして、豪快に水で顔を洗う。
せっかくのオフなのに、仕事に囚われていてはいけない!



15時には、またあの場所に出発しなくちゃいけない。

それまでは、あの家のことは全部忘れて休暇を満喫してやる――……!