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車を走らせること、約2時間。
後部座席に座る私は、どんよりと背もたれに溶けている。
(元々の知り合いって最初に言ってたもんね。
同じ事務所……そりゃ帰る時も一緒か)
所詮私たちは期間限定の仕事の関係。
ロケが終わったらさようなら。
爽真と美玲がどうなるかなんて、考えたところで無駄なのだ。
なのに、ズーン。
「いい子ですね、瀬名くん」
前を向いたまま、唐突に御手洗がそう言った。
「…………」
けれど、私は聞いてなくて返事をしない。
バックミラーごしに私の様子を見ていた御手洗が、ついに面倒臭そうなため息を吐いた。
「……おかしいと思ったんですよ、全く」
その表情は、ロボットかのような無。
だけど、棘っぽい口調には心配が滲んでいる。
「24時間本来のあなたと真反対の役になりきって過ごしているはずなのに、愚痴電話の一つも寄こさない。
おまけにその役は蜂の巣同然。
いくら図太いあなたでも、拠り所がないと潰れてしまうような状況なのに、です」
ゆらり、亡霊のように体を起こす。
何を言いたいのかわからない。
だから、バックミラー越しに御手洗と見つめ合った。



