台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


(怖っなに!?)

よくわからないけど、本能が何かを察知して御手洗から離れる。

清々して息を吐く御手洗が、不思議そうな顔をした。


「あの子、瀬名爽真くんですよね。
番組上あまり接点がないように見えましたけど……何かあるんですか?」

御手洗のキツネ目が急に鋭くなって、疑いの眼差しを私に向けてくる。


“無茶やってるんじゃないでしょうね”
って、その顔が言っているからギクリとした。


「あー、違うの。あれは……とにかく、後で説明するから!」

顰めた声で言い淀む。

爽真とは、無茶してないし。

けど、昨日の深夜のせいでわかりやすく挙動不審になってしまって、御手洗の不信感を煽ることになった。


「ほう?……ま、では挨拶しておきましょう。
共演者に挨拶するのは、マネージャーとして当然のことです」

そう言って、御手洗は一直線に爽真とそのマネージャーの方へ歩いていく。

急に何を言い出すのかと、私も慌ててその後を追った。



「爽真?聞いてる?今後のスケジュール詰めたいから、今から事務所に――……」

「すみません、失礼します」

爽真のマネージャーの背後から御手洗が声をかけると、彼女は怪訝な顔で振り返る。

「どなたですか?」

「私、フジイ芸能事務所所属・香月瑠奈のマネージャーの御手洗と申します。いつもうちの香月がお世話になっているようで、一言ご挨拶をと思いまして」