「掃除機なら、そこにあるよっ?紫苑くん」
部屋の角、掃除用具がまとまっている場所を指差して、にっこりと微笑む。
なのに紫苑はそれを無視して、まっすぐ私のところに来た。
「密室だね、瑠奈ちゃん」
日の光が当たらなくても、蕩けるように艶っぽい蜂蜜色の瞳。
ふわりと軽く微笑む甘い表情は、無邪気にも計算高いようにも見えて。
目と鼻の先に立つ紫苑は、私のアクションを誘うかのように無防備だ。
下手に甘い顔を見せるのは、危険。
「……紫苑くんがそうしたんでしょ?」
だからここは、鉄壁モードの“瑠奈”で。
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