台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


ハッとして爽真と反対隣を見ると、紫苑が爽やかに笑っている。

“契約、忘れてないよね?”

そう聞こえてくるくらいの、完璧な王子顔だった。


「うん、飲むっ。ありがとー、紫苑くん♡」


忘れてない。そう主張するように、体ごと紫苑の方を向いて空になったグラスを差し出す。

私と紫苑の間でトクトクと、高めの位置からオレンジジュースがグラスを満たしていく。


「そういえばですけど、紫苑くんと瑠奈ちゃんも最近仲良しじゃないですか?」

「ゲッやめてよ〜ないない!紫苑くんが優しくしてるだけだって!」


ひよりと彩加の噂話に、美玲の表情が意味深に固まる。

私の背中越しに、爽真の眉尻もわずかに引き攣った。