台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


空に払われた手をそのままに、爽真はじっと私の顔を見つめている。

信じられないものを見ている、まるでそんな感じの目。


「……なに!」


ものすごくバツが悪い。
だから、さりげなく一歩だけ距離をとってそっぽ向く。


なんとなく手は繋がったまま。

拗ねてるみたいな仏頂面の横顔に、爽真が柔らかく目を細めた。


「……いや。ここ最近のことが全部、割とどうでも良くなってきたと思って」


そう言って微笑む爽真の顔は、今まで見たことないくらい晴れ晴れしていて。


(――解せない。なんで私だけこんなにドタバタしてるんだ)


きゅっと結んだ口元に、ちょっとだけ空気を溜めて一先ず睨む。

「なに?文句あるなら聞くけど」

さっきまであんなに弱ってたくせに、すっかり余裕顔でそう煽る爽真にムッとして。

「文句しかない。今からそこに正座して」

指し示して行き着くのは、私たちの定位置で。