台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―



いよいよ決勝戦。
勝ち上がってきたのは、期待通りのカード。

「紫苑くんっ頑張ろうねっ♡」

元気よく言った私の言葉に、紫苑はあえて言葉を返さない。

ネットの向こう側にいる、美玲と爽真を見ているから。


「……ごめん、何か言った?」


……きっかり3秒経過で振り向いてきた。
この男、完全に“嫉妬してる”演技をしている。


「……ううんっなんでもなぁい♡」

その演技にありがたく乗っかって、爽真達のことを見ていないふりをする。


……だってそっちを見ちゃったら、“紫苑に夢中”が濁る気がしたから。


笛の合図で、決勝戦の試合が始まる。


私のプレイは……相変わらずまぁひどい。

砂に足を取られては転び、レシーブは真後ろに飛んでいき。

それを紫苑があり得ない器用さで拾ってフォローしてくれているのは、さっきと変わらないんだけど……


なんだろう?さっきより紫苑が走ってる気がする。