「違うもん違うもんっ!瑠奈、本当はできるんだもん!!」
ビーチボールを抱きしめて、子どものように喚き散らす。
ほんと、なんでできないの!?
私の1ヶ月、一体なんだったの!?
悔しくて砂浜を叩きたいのを、ペタンと座り込んで誤魔化す。
ひよりが狼狽えて、陸や彩加、大和が呆れた視線を送り始めた時――
頭の上に、ポンと紫苑の手が乗った。
「どんまい!瑠奈ちゃん。
まだ始まったばっかだから。落ち着いて、できる感覚取り戻してこー!」
胡散臭いくらいの、爽やかでキラキラした笑顔。
その裏にある悪魔の尻尾を知っているから、穿った目で見てしまう。
でも、その笑顔に溶けるのが“瑠奈”だから。
「うんっ瑠奈、頑張る!
ぜったいぜったい、紫苑くんと優勝するからっ」
紫苑が差し出してくれた手を取って、しっかりとファインティングポーズをとる。



