台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―




8月17日。火曜日。
8:30。

「紫苑くんっ♡今、ツーショットタイムいいかな?」

昨日の約束通り、朝食後、私は紫苑をツーショットタイムに誘った。


――ちなみに、爽真との朝食当番はお互い無言でこなした。

定例の7時に起きて来た時にはカメラは回っていたし、大和や美玲ももういたから。

硬く閉ざしたように見える爽真の背中に、“瑠奈”のままかける言葉を見つけられなかった。


「あー……、うん。いいよ」

私視点では白々しく。
でも昨夜を知らなければ、ごく自然な戸惑いで紫苑は頷く。

「わーい、決定♡じゃあ、行こっ」

私も、今約束を取り付けたみたいに無邪気にはしゃいで紫苑の手を引く。


ダイニングテーブルでコーヒーを啜る、冷え切った爽真の横を通り過ぎてリビングを出ていく。

仲間たちの楽しそうな話し声とテレビの音が、リビングのドアを閉めた途端、スッパリと途絶えたような気がした。