――言質をとらせちゃだめ!
そう思うのに、目の前の緊迫した睨み合いに体が固まって、声が喉に張り付いて出てこない。
爽真は少しも怯まずに、毅然とした態度で打ち返した。
「だったら何?お前には一切関係ない」
予想と違う切り返しに、紫苑の余裕が僅かに揺らぐ。
それでもなんとか口端を吊り上げて、ハッと笑いを漏らした。
「夜10時消灯。以降、不必要に部屋の外へ出ることは禁止。
このルール、知らないわけないよね?」
私に言われてるわけじゃないのに、反論の余地がなくて怯む。
私と爽真の関係は、ルール違反の上に積み上がっている。
そういう関係だってことを、改めて突きつけられた気がして。
「だから?」
それでも、今日の爽真は一歩も引かない。
絶対に負けない、冷淡な態度の裏側にそんな強い意志を感じた。



