台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


【お題:告白】

『……』
『……』

とりあえず、みたいに向かい合う爽真と美玲。

爽真はどこか無機質な横顔。
美玲の横顔には、甘い緊張が浮かんでいる。

その視線は、明後日の方と床の方。

どちらが、どう仕掛けるか。
そんな緊張感が満ちているのに、どちらもそれを破らない。

制限時間は迫っている。

こんな恋リアに相応しいお題をタイムアップで流すのは、許されないって空気だ。


『――……』

爽真の目が、ふとカメラの方を見る。

カメラ目線、じゃない。
カメラの、そのもっと向こう。

何を見ているんだろう?
角度的に、多分ソファのあるあたり。

それか、リビングのドア付近?

スタッフの反応でも見ているんだろうか?


タイムアップ10秒前。


視線を美玲の方に戻した爽真が、諦めたような溜め息を吐く。

緊張しているような落ち込んでいるような。
きっと他の人には感じ取れない、そのくらい些細な感情の揺れ。

息を吐き切った爽真の薄い唇が、何かに抵抗するようにゆっくりと動き出す。

でも、一度動き出したらちゃんと最後まで止まらなかった。

“す”

“き”

“だ”

……“すきだ”

音はない。口の動きだけ。

でも、美玲に向かって“好きだ”って言った。