台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


何かが胸にズキンと刺さる。
表情を保つので精一杯。


(痛い、苦しい。……いや、落ち着け。
ちょっと混乱してるだけ)


「爽真くん。こっち、準備できたよ」

「……ん。了解」

背中に刺さる自然に行き交う爽真と美玲の会話に、また呼吸を奪われる。


……嫌だ。なんで。


別に変なことじゃない。

恋仲を演じるうちに本当にその気になるなんて、よく聞く話だもん。

美玲が予定外に爽真を好きになることだって、あり得ない話じゃ――……


(――――爽真は?)


心の中で、小さな声がした。

ずっと保っていた微笑みを浮かべる口元が、ピクピクと動いて崩れかける。

そんな私に気付いて、大和が声をかけるか否か迷っているように視線を正面と隣に行ったり来たりさせている。

もう思考をやめたかったのに、私の脳は止まってくれない。


心は言わないでって言っているのに、思わずにはいられなかった。




――――ねぇ。
爽真も、美玲が好きなの?