台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


“美玲”の矢印の先は紫苑なのに。
爽真に向く意味がわからな――……

視線を感じて、ふっと隣を見る。

私と同じようにテレビを観ているフリをした大和が、ちらちらと心配そうな目線を送っていた。


その、大和の顔を見た時――

この舞台で発生し得るバグがあることを、思い出した。


『……じゃ、栞……さんのことは……』

『なんとも思ってなかったよ。
俺が好きだったのは、ずっと彩加』


“一期の大和”は、台本の外で恋をしていた。

それを知った時――

その可能性を、どうして今期に当てはめなかったんだろう?


ドクドクと嫌な予感が胸を蝕んで、抱いた疑問の答えを導く。


……美玲って、実は“そう”なの?


台本上では紫苑に恋するフリをして、
本当は、爽真のことが好き……?


「……っ、」

一気に血の気が引いていく感覚に、ひゅっと喉が鳴る。

そう仮定したら、何度か美玲に抱いた違和感にも説明がついてしまって。