奇跡と呼ぶには

「大丈夫?伊織」

「ごめん、一瞬抜ける」

「うん、ちょっと休んでおいで」

無情にも、“普段”が崩れるのは早くて。

「いーちゃん、今日も顔色悪いね...」

「...大丈夫だよ。伊織なら、大丈夫。」

大丈夫。
無責任にそう言うけど、
そんなの、自分に言い聞かせてるだけで。

「ごめん!続きやろ!!」

「え、もうちょっと休んでても」

「ほんとに大丈夫!ほら時間ないから!」

明らかに無理してるのに、
本人にそう言われたら、何も言えなかった。

...この考えに、私たちは後悔することになる。