時田君と私の秘密の契約〜毎週金曜日の秘め事〜

 「私が今回提案するのは、何回でも消して使用できる特化型のボールペンです。このボールペンの特徴は持ち易さを重視したこのグリップの形と、ボールペンなのに何回でも消して使えるというこの利便性です…。」

 自分の出せる力を全て費やした私は、自分のプレゼンを終え、ホッと胸を撫で下ろした。
 
 コンペに参加した職員、社長からも拍手が湧き起こる。ふとライバルの時田くんを見ると、優しい笑みで笑っていた。

 時田くんはずるいと思う。今まで何度も社内コンペに参加してきたけど、ライバルの私や他職員に対してもちゃんと敬意を払う。私なんていつも社内コンペに負けると泣いて悔しがるくらいなのに…。
 仕事ができるだけでなく、人格までできている時田くんが、私はいつも嫌味なやつに思えて、絶対に敵わない不動の相手のように思えて、私は苦手だった。

 社内コンペは終盤に差し掛かりいよいよ時田君の番となった。時田君の考えはいつも斬新だ。時田君のずば抜けて斬新で新しい感覚は、いつも社内コンペを勝ち取り、いくつもの商品化を果たしていた。