時田君と私の秘密の契約〜毎週金曜日の秘め事〜

 最近の自分はおかしい。なぜかイライラするし、カリカリして今一つ仕事に身も入らない。

 パソコンのキーボードにカタカタと文字を打ち込む私の心の中は乱れに乱れていた。

 理由は最近訪れ始めた有り余る性欲をどう処理したらいいのか悩んでいるからだ。
 
 性欲というからにはつまりそういう相手が欲しいという事だ。

 でもすごく厄介なのは、私が求めているのは、面倒臭い彼氏や恋人関係ではなく、あくまで性欲を処理してくれる相手がいればいいと言う事だ。

 これでも一年前まで付き合っている恋人がいた。相手は他会社との合コンで知り合った人で、付き合いは半年続いた。

 だけど、もっと会いたい、一緒に暮らそう、結婚して欲しい。過半数の女子たちが飛び上がって喜びそうな言葉にも、私は全く喜べなかった。

 元々彼氏が出来てもサバサバしている、さっぱりしていると言われていた私は、会いたい時に会えるお手軽な相手がいればいいと言うだけの都合の良い関係を望んでいただけだった。

 付き合う相手とは常に温度差を感じ、相手が思っている程自分も思えていない事に罪悪感を感じ、別れる時は常に同じ言葉でフラれる事が殆どだった。

 「本当は俺の事なんて好きじゃないよね⁇」

 「そんな事ないよ」と、真っ先に否定できるほど、私は相手の事がさほど好きじゃなかった。

 だから、大抵「ごめんなさい。そうかもしれない…」と言葉尻を濁し、大抵私の一年にも満たない短い付き合いは幕を閉じるのだった。

 誰かに特別に恋焦がれることも、訳が分からなくなるくらい人を好きになった事も、好きすぎて涙を流してしまったような熱い経験も、私は今まで味わったこともない。
 
 私にとって彼氏は自分が必要なときにだけ都合よく会ってくれればいい存在。そんな私が普通に彼氏を作って結婚する事なんて、到底出来るはずがなかった…。