時田君と私の秘密の契約〜毎週金曜日の秘め事〜

 お昼休憩が終わってスマホをチェックすると、時田くんからLINEが入っていた。

 『今日は予定の金曜日ですけど、会えますか⁇』

 ドキンっと心臓が有り得ないくらい音を立てて鳴った。誰かに心臓の音が聞こえてしまわないか心配になるくらいだった。
 
 元々同期の為連絡先くらい知っている私達だったけど、個人的に連絡を取り合うなんて事は一度もなかった…。

 (……どうしよう。金曜日の契約の事本気だったんだ……)

 スマホの画面を見て動揺を隠せない私は、時田くんから来たLINEのメッセージを見て思わず声を出しそうになってしまった。

 自分が行きたいのか、行きたくないのかも分からない…。嘘だ…本当は行きたい気持ちの方が強く、時田くんと致した行為が身体に染み付いていて忘れられなかった…。私の身体が彼を欲している…。身体だけじゃなくて本当は心も…。
 本当は純粋に時田くんに会いたいと願っている自分がいた。

 『…会えるけど…時田くんの家が分からない…』

 彼はこのメッセージをどう捉えるのだろう⁇確かにわかる事は、私が彼の誘いを断っていないという事だけだ…。

 『俺の家の住所を送ります。新宿区〇〇町2-3-4 高田マンション203号室。場所が分からなければ最寄りの駅まで迎えに行きます。』

 思ったよりも堅い文章に少し笑ってしまった。まさかライバル同士で敵対していた時田くんとこんなLINEのやり取りをするなんて。

 『駅まで迎えに来て欲しいかも…。』

 『分かりました。駅まで来たら連絡ください。迎えに行きます。』

 OKスタンプを押して私達のやり取りは早々に終了した。まさか毎週金曜日に契約を交わしたからと言って時田くんの家に通う事になるなんて…。

 楽しみなのか…複雑なのか…それともその両方か…。あの夜から結局時田くんのペースにはめられている私はもう既に自分が沼にハマっている事に気が付いていた…。

 (……どんな顔して行ったらいいんだろう⁇本当にこんな契約に乗っちゃってノコノコ家まで行っちゃっていいのかな⁇……)

 混乱して悩む気持ちは消えず、今日時田くんの家まで行く事を考えるとまたしても仕事に身が入らない…。結局1日仕事に集中することの出来なかった私は、仕事が終わると緊張した面持ちで時田くんの家へと向かった…。