「吾郷君、お客さんってみんな帰ったよね」
「そのはずです」
びくびくしながら入口を見つめていても誰も入ってこず、しばらくしてコンコンとまた音がした。面倒事が増えている。そのことになんだか無性に腹が立ってきた。開いてるんだから入ってくればいいじゃないか。
昨日今日とすっごい忙しくて、すっごい疲れて、漸くパーティで、でもここでやっていいのかよくわかんなくて。そんなイライラで入口に向かってバンと扉を開ければ、普段驚いたところなんて見たことない友人が目を丸くして立っている。
「……あれ? 環」
「ああ、びっくりした」
「なんで入ってこないのさ」
「……俺は髪を切るつもりがない。招かれなければ入れない」
なんだそれ。吸血鬼みたいだな。招かれないと? それで環は店内をのぞき込んで不機嫌そうに眉をひそめる。
「なんで今パーティやってる。折角ずらしてきたのに」
「え、だって25日でしょ? まあとにかく入ってよ」
「クリスマスは25日の日没までだ。陽が落ちれば日付が変わる。俺は年末の挨拶に来ただけだ」
環はそう言い捨てて、すたすたと入口のパーティスペースを抜けてバックヤードに向かう。なんなんだ? でも環がいいと言うならいいんだろう。つまり悩みは全部解決して、気分は晴れ晴れとして、クラッカーを手に取って、これで終わりで、クリスマスパーティで、終わったら帰って寝るんだ!
「メリー・クリスマス!」
そう宣言してパンとクラッカーの音が多重に響きわたり、どうやら鼓膜がぶちぬかれでもしたらしく、その瞬間から記憶がない。そうして見上げているのは昨日も眺めた白い天井だった。つまりバックヤードで、今日がクリスマス?
「なんだ? 結局全部夢だったのか?」
「そのはずです」
びくびくしながら入口を見つめていても誰も入ってこず、しばらくしてコンコンとまた音がした。面倒事が増えている。そのことになんだか無性に腹が立ってきた。開いてるんだから入ってくればいいじゃないか。
昨日今日とすっごい忙しくて、すっごい疲れて、漸くパーティで、でもここでやっていいのかよくわかんなくて。そんなイライラで入口に向かってバンと扉を開ければ、普段驚いたところなんて見たことない友人が目を丸くして立っている。
「……あれ? 環」
「ああ、びっくりした」
「なんで入ってこないのさ」
「……俺は髪を切るつもりがない。招かれなければ入れない」
なんだそれ。吸血鬼みたいだな。招かれないと? それで環は店内をのぞき込んで不機嫌そうに眉をひそめる。
「なんで今パーティやってる。折角ずらしてきたのに」
「え、だって25日でしょ? まあとにかく入ってよ」
「クリスマスは25日の日没までだ。陽が落ちれば日付が変わる。俺は年末の挨拶に来ただけだ」
環はそう言い捨てて、すたすたと入口のパーティスペースを抜けてバックヤードに向かう。なんなんだ? でも環がいいと言うならいいんだろう。つまり悩みは全部解決して、気分は晴れ晴れとして、クラッカーを手に取って、これで終わりで、クリスマスパーティで、終わったら帰って寝るんだ!
「メリー・クリスマス!」
そう宣言してパンとクラッカーの音が多重に響きわたり、どうやら鼓膜がぶちぬかれでもしたらしく、その瞬間から記憶がない。そうして見上げているのは昨日も眺めた白い天井だった。つまりバックヤードで、今日がクリスマス?
「なんだ? 結局全部夢だったのか?」



