触らないで、とは言わなかった。 すごく弱い子だ。 守りたくなる。 「何があったの?」 「…なんでもない」 「何も無かったら泣かないよ?」 「何も無い!」 瞳ちゃんは、強い声色でそう言って、立ち上がってどこかに行ってしまった。 やり所のなくなった手を下ろして立ち上がった。 ほっとけない子だな…。 だけど彼女は俺のことを求めてない。 拒絶している。