桃色短編集

その日の夜、梨本は細心の注意を払って瀬河の自宅を訪れた。
「おじゃましまーす」
「あんま広くないけど好きにしてていいよ」
梨本は靴を整え家に上がると、ソファーの端っこにちょこんと座った。
「梨本さんってお酒飲める?」
「あ、飲めます」
「なにがいい?こっち来て好きなのとって」
「せっかくなんですけど、今日はお酒は、、」
「ちょっとくらい酔ってた方がいいんじゃない?って思ったんだけど、そのままでいいならそれでいいよ」
「っ、あの、やっぱりいただいてもいいですか?」
「どーぞ」
冷蔵庫に数種類ずつ揃えられていた。このために準備してくれたのだろうか。
ソファーにもたれかかる様に床に座り、机を挟んでコの字型に座った。
「いただきます」
グビグビっと喉を鳴らしながら梨本は飲むと、瀬河は少しだけ驚いた。
「梨本さんってお酒強いの?」
「人並みくらいですかね、」
「梅酒好きなの?」
「好きですね、まだあんまりビールとか得意じゃなくて、、」
「あと、さんよびやめてください。呼び捨てでいいです。」