二週間後。
今日は先日のブライダルフェアでご成約いただいたお客様との打ち合わせ。
私はいつものようにチャペル・ド・ルミエールへ向かった。
式場の搬入口を通りかかると、
大きな段ボールを抱えた男性が目に入る。
「……あ」
橘さんだ。
両腕いっぱいに花を抱えているせいで、扉が開けられず困っている。
私は慌てて駆け寄った。
「開けます!」
「……助かります」
この前と同じ言葉。
思わず笑ってしまう。
冗談交じりに言うと、橘さんも少しだけ笑った。
「今日は搬入口なので」
その返事がなんだか橘さんらしくて、また笑ってしまう。
「確かに」
ドアを押さえたまま見送ると、橘さんは抱えていた花を中にある荷台へそっと下ろした。
その拍子だった。
ポケットから小さなフローラルテープが、足元へころりと転がる。
私はしゃがんでそれを拾い上げた。
「落ちましたよ」
差し出すと、橘さんも同じように手を伸ばす。
指先が、触れた。
ほんの一瞬。
それだけのこと。
それなのに。
心臓が、どくりと音を立てた。
「あ……すみません」
先に手を引いたのは私だった。
「いえ。ありがとうございます」
橘さんは何事もなかったようにフローラルテープを受け取る。
……気にしているのは、私だけらしい。
今日は先日のブライダルフェアでご成約いただいたお客様との打ち合わせ。
私はいつものようにチャペル・ド・ルミエールへ向かった。
式場の搬入口を通りかかると、
大きな段ボールを抱えた男性が目に入る。
「……あ」
橘さんだ。
両腕いっぱいに花を抱えているせいで、扉が開けられず困っている。
私は慌てて駆け寄った。
「開けます!」
「……助かります」
この前と同じ言葉。
思わず笑ってしまう。
冗談交じりに言うと、橘さんも少しだけ笑った。
「今日は搬入口なので」
その返事がなんだか橘さんらしくて、また笑ってしまう。
「確かに」
ドアを押さえたまま見送ると、橘さんは抱えていた花を中にある荷台へそっと下ろした。
その拍子だった。
ポケットから小さなフローラルテープが、足元へころりと転がる。
私はしゃがんでそれを拾い上げた。
「落ちましたよ」
差し出すと、橘さんも同じように手を伸ばす。
指先が、触れた。
ほんの一瞬。
それだけのこと。
それなのに。
心臓が、どくりと音を立てた。
「あ……すみません」
先に手を引いたのは私だった。
「いえ。ありがとうございます」
橘さんは何事もなかったようにフローラルテープを受け取る。
……気にしているのは、私だけらしい。

