一夜のあと、君に溺れる

「それでね、好きって気持ちすごいなって思って。気づくとずっと大ちゃんのこと考えてるの。ねえ、みんなもそうなの?」

至極真面目に聞いただけだったのに、三人はポカンとしたあげく、それぞれ頬を染めて照れ出す。

「ちょ、ごめんなさい。一旦呼吸整えていいですか?」

「私も」

「スーハースーハー」

みんなが深呼吸をしている間、私はお料理に手をつける。湯葉とアボカドのサラダはとても上品な味がするし、とろろの鉄板焼はお出汁が利いていて美味しい。

大ちゃんもこういうお料理好きかしら。今度大ちゃんとも食べに来たいな。そんなことを考えて、ふっと笑みが漏れた。

「桜子さんがピュアすぎて、ハートめろめろにされた気分です」

「恋するっていいですよねぇ。私も早く彼氏作ります」

「幸せそうでお姉ちゃん嬉しい」

「えっ? うん、それで……その……」

「私の頭の中は、佐々木先生でいっぱいです。大好きすぎます。負けません!」

心和ちゃんが、張り合うようにむんっと拳を握った。

「私も清島先生のことでいっぱいだよ。最近は、清島先生に新作の唐揚げ食べさせたいなーって、ずっと考えてる」

うんうん、と杏子さんは腕組みをしながら頷く。

「えーっと、私も後に続きたいでぇっす」

千里ちゃんは控えめに手を挙げる。

「みんな、恋する乙女なのね……!」

「「「桜子さんが一番でしょ!」」」

声がハモるくらいに、盛大にツッコまれた。
私は恋する乙女らしい。

……まあ、自覚はしている。
頭の中は大ちゃんでいっぱいだし、早く会いたいって思っている。いっぱいお話したいし、いっぱいイチャイチャしたい。

……てことは、やっぱり同棲かしら。
同棲ってなんて素敵な響きなの。一緒に住むなんて、もうそれって結婚じゃない。やだ、私ったら夢が膨らみすぎかしら。

「桜子さんの妄想始まりましたー」

「幸せですねぇ」

「おーい、戻ってこーい」

「はっ!」