一夜のあと、君に溺れる

「いや、まあ、そもそもよ。桜子さんが告白されて、好きってどんな気持ちなのって言う時点で、桜子さんはその男性のことを気になっちゃってるんですよ」

「それは言えてる」

「間違いないです」

「そうなのかな……?」

「「「そうでしょ」」」

「そんな力いっぱい言わなくても……」

「いやいやいや、言うでしょ」

「言いますよ。私、今まで桜子さんのこと勘違いしていました」

「同じく。私たちの中で一番恋愛経験豊富かと思ってました」

お見合い経験だけは豊富なのよね……なんて言葉は飲み込んだ。これ以上何か言うと墓穴を掘りかねない。とにかく、私は「好き」って気持ちが知りたいだけなのだ。

「桜子さんは、その人と一緒にいると、どんな気持ちなんですか?」

「一緒にいると楽しいって思ってる。バイバイって別れるとき、変に寂しくなっちゃったわ」

「くわー、桜子さんの純情オーラ浴びて、灰になりそう」

「ぐっ、同じく」

「もう、もう、付き合っちゃってくださいよぅ」

心和ちゃんがダンダンッとテーブルを叩いた。好きかどうかわからないのに、付き合ってもいいのかしら? いや、そもそも私ってば、お見合いのときは「好き」に関係なく頑張って付き合おうとしていた。それなのに、今回躊躇っているのは何故なの……?

「……好きなのかな?」

ボソリと呟くと、三人はへにょりとその場に崩れ落ちた。

「え、何? どうしたの?」

「何だか相手が不憫……ああ、いやいや、試しに付き合ってみるのもありかもです」

「そうそう、付き合ってくうちに好きって気づくかもしれないですし」

「一緒にいて楽しいって思うなら、何度もデートしてみたらどうかな?」

「なるほど、それはいいアイデアだわ」

みんなのアドバイスを胸に刻みながら韓国料理を堪能していると、ピロリンとスマホが鳴る。確認してみると、大ちゃんからメッセージが届いていた。