殺し屋のご飯

 とりあえず寝た。

 いい匂いで目を覚ます。

 時計を見たらもう正午だった。

 その頃にはもう深月は起きていたけれど、気まずいまま。

 ご飯は用意されていて、作る時間がかかりそうな、フレンチトースト。

 「ごめん、迷惑、かけたよな」

 お詫びのフレンチトースト、と言って小さく笑った彼は、形の整った目の下にクマを作っていた。

 「迷惑なんかじゃないよ。それよりも寝てる?無理してない?」

 わたしは彼が綺麗な顔を歪めたのを見て、無理させないように、優しく問いかけた。

 「もう、相棒に嘘はつけないな。無理、してるよ」

 彼は、いつもよりも優しい口調。

 壁にもたれかかっている。

 見た感じ、立っているのも辛そうだった。

 「なんで?仕事の多いわたしが、あなたに家事押し付けちゃったか──」

 先を言う前に、彼は言葉を重ねた。

 「違う。俺の心のせい」

 「……なんで?何があったか教えてくれる?」

 「まぁ、お前が、俺のこんな話で態度変えるとは考えずらいもんな。言うよ。俺の過去」