殺し屋のご飯

 パァァァァンッ

 発砲。

 あまり、的に当たらない。

 殺し屋だからって、街中で発砲したりなんかしない。
 ここは、殺し屋専門の学校。
 わたしたちが通っている学校だ。

 今は、『特』の授業。
 銃の扱いについての練習だ。
 本物の銃は、使わない。
 危ないからね。

 本番に備えてということもあって、バディで練習をするのだ。
 わたしのバディは、もちろん深月!

 彼は、ハイスペックで、銃の扱いも上手い。
 彼の銃弾は、いつも的の中心へと吸い込まれていく。

 「夕凪さん。こうやってやるんだよ」

 あの毒舌な深月が、キラキラ輝いてる……!
 なんか口調も優しいし。
 わたし以外の人がいる時、いつもこうなんだよね。

 できれば、わたしのこと夕凪って呼ばないで欲しいんだけど……。

 そう思いながら打った銃弾は、窓から大きく逸れてしまった。

 「集中しろばーか」

 耳元で、囁かれる。

 前言撤回。

 「してますよーだ」

 「してないよね。あなたがあんなにも外すのは珍しいって、僕は思うなぁ」

 色素の薄い彼の髪の毛が、なびいた。
 光を吸収して、揺れるたびにきらっきらっと音が鳴りそうなほど、星のように瞬く。

 「遠回しに褒めてる?それとも貶してるの……?」

 「ホメテルヨ」

 あからさまな棒読み。
 そんな時、大きな声が聞こえた。

 「あっ、こんにちはーっ!」

 わんこっぽい雰囲気の男の子がこちらへくる。

 「お世話になる、日野心ですっ!中一です」

 お願いします、と日野くんが頭を下げた。

 「わたしは、夕凪一夜です。よろしくね、日野くん」

 「僕は、朝陽深月。よろしく。出来る限りサポートするから」

 ふんわりと、深月が笑った。
 いつものムスッとした顔がどっかへ行ってる。
 うわぁ。王子様モードの深月馴れないなぁ……。

 「はいっ!迷惑をかけてしまうと思いますが、お願いします」

 ニコッと日野くんが笑う。

 おぉ、日野くんも可愛い系の美形なのか。
 ……わたしの周りって、なんでイケメンが集まるのかな。