背中押してあげる

学校の文化祭、演劇の主役に選ばれた私は本番直前に緊張で震えていた。脇役を務める親友が舞台裏で私の背中にそっと手を当てる。
「きっと大丈夫! 背中押してあげるから自信持って!」
すごく勇気が湧いた。迎えた本番。舞台の中央前方に立ち、心臓がバクバクと鳴った。励ましてもらったから大丈夫ーー
大きく息を吸って前を見る。とその時、私の背中を誰かが押した。
「え⁉︎」
私の身体はぐらりと傾き、足が宙に浮いた。