でも私には、はいともごめんなさいとも、言う理由が無かった。
接点がほぼ無い相手と、どうしろと?という感じ。
「…野島くんは、どうしたいですか」
「付き合いたいって言ってるだろ」
「告白ゲームじゃなくて?」
「なんだよそれめんどくせぇ」
目を逸らして2度目の溜め息をついた。
「俺はお前とこういうことがしたいの」
そう言ってガバッと抱き締めてきた。
良い匂いがした。
心地良い体温だった。
包まれてる感覚がとても良かった。
って、そうじゃなーい!!
「は、離して…」
「付き合うって言うまで離さねぇ」
「付き合うからっ…」
「ふぅん」
やっと離してくれた。
こっちは顔真っ赤なのに、野島くんはクールなまま。
ズルい人。
「じゃあ今日からよろしくねー」
少しだけ彼は笑った。
そう言って、彼は帰ってしまった。
一緒に帰るとかじゃないんだ。
まあいいけど。



