帰ろうと、昇降口に行くと、寄りかかっている野島くんがいた。
「わっ」
思わず声を上げてしまった。
バレずに帰りたかった。
まあ前を通ることになるから、どちらにせよ無理だっただろうけど。
強い眼光で、私を横目で見る。
急いで靴を履き替えて、前を通り過ぎようとした。
「待てよ」
はい無理でした。
手首を掴まれてしまう。
まあそうですよね。
分かってました。
「の…野島くん、今帰り?誰かと待ち合わせ?」
「白々しいな、お前以外に用事あるかよ」
「…はい」
消え入りそうな声で返事をする。
「相原から、紙貰ったか」
「…読んだよ」
「返事、欲しくて」
「そ、そんな…すぐには答え出せないよ」
野島くんは溜め息をついた。
「なに、直接言えば答え出せるわけ?」
「えっあっ」
戸惑っていると、
「神田が好きだ。付き合え」
と、ぶっきらぼうに真顔で伝えてきた。
好き…か。
やっぱり、交際の方だった。
「…何で私?」
「好きになったのがお前なだけだろ」
「そ…そっか」
そうだよね、何がトリガーか知らないけど、好きになってくれたから、告白してくれたんだよね。



