――――9年前、夏


「やばい、やばいよ(汗)遅刻しちゃう」

新学期早々それはヤバい。

うー、目覚ましはちゃんとかけて寝たはずなのに・・・

まぁ二度寝する私が悪いのだが・・・

とにかく今はそんなこと考えている場合ではない!

急がなくては。

でもおそらくこの時間では、急いでも校門で先生に捕まってしまうな。

6年間無遅刻を狙っている私にはそれはイタイ。

6年間無遅刻、正確には6年生の1月までだが、無遅刻ならば音楽ギフト券か何かをくれるらしい。詳しくは忘れたけど・・・

よし、裏から入ろう。

私の学校の裏は低いフェンスで侵入しやすいのだ。クラスメイト達はよくこの手を使っている。しかし防犯面ではかなり問題があると思う・・・

「よし、見えてきた。このままの勢いで飛び越えよっと」

「えいっ」

ダンダンダン!リズムよく私はフェンスを飛び越えた

タン!よし着地も成功だ。さてこのまま誰にも見つからないうちにクラスに行こう。

「――――あの、すみません」