家の周り

 毎晩、俺の家の周りを歩く奴がいた。周りというのは、近場、周辺という意味ではなく、本当にすぐ周り。建物の外壁に沿って歩くのだ。時間帯は大体23時~2時。ザッ、ザッ、と砂を踏む音が等間隔で聞こえてくる。最初のうちは放っておいた俺も、次第に我慢の限界になって、ある日とうとう文句を言うべく外に出た。そこにいたのは、笑顔で人形を地面に叩き付けながら歩く、1本足の猿だった。