再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~

「三十分も待ったって、私が早番で帰っていたらどうするのよ」

テツの行動は行き当たりばったりで、思わず『バカなんじゃないの?』という言葉が喉まで出かかった。

「まぁ、そのときは仕方ないよな。でも、こうして会えた俺はラッキーだ」

「ラッキーって……」

フッ、と笑みを浮かべるテツに呆れてしまう。
そこまでして私と話す必要があるんだろうか。
正直、私は関わりたくないんだけど。

「話ってなに?」

用件だけ聞いて、さっさと終わらせるつもりだった。
けれど、テツの口から出た言葉は、拍子抜けするような一言だった。

「もう飯食った?」

「は? お店の物を軽く食べたけど」

余った惣菜を、片付けがてら食べたりしている。
他のパートの人は、持ち帰る人も多い。
――けれど、今はそんなことはどうでもいい。

「だから、話って……」

「俺、晩飯まだ食ってないから付き合って。もう腹減って倒れそうなんだ」

話をさえぎられ、訳の分からないことを言う。
どうして私がテツのご飯につきあわないといけないのか、理解できない。

「そんなの知らないよ」

「まぁ、いいから。奢るから付き合って」

「ちょっと!」

いきなり私の腕を掴み、有無を言わせずテツの車に押し込まれる。
車内は私好みの柑橘系の芳香剤の香りがして、洋楽が流れていた。