「そうそう。今日、美桜ちゃんが配達に行ってたから久々にレジに入ったの。そのときにね、イケメンが来たのよ」
「へぇ、イケメンですか」
おばさんはアイドルとか大好きでイケメンには目がない。
若い頃、今でいう推し活をしていたという話を聞いたことがある。
「ちょっと、美桜ちゃん! もっと興味を示してよ」
私の反応が気に入らなかったのか、おばさんが口を尖らせる。
「えー、だってイケメンとか興味ないですもん」
「またそれだ。イケメンなんて実際にはそうそういないんだから、お目にかかれるのは貴重なのよ!」
「みーちゃん、またそんなこと言って……」
呆れたように話に割り込んできたのは、オーナー兼店長のおじさんだ。
「あら、いいじゃない。見てるだけで誰にも迷惑をかけてないんだから。あなたも昔はイケメンだったのに……」
そう言って頬を膨らませる。
おばさんいわく、若い頃のおじさんは、痩せていてカッコよかったらしい。
今はお腹がポッコリ出ていて、ちょっと太り過ぎって感じだけど。
結婚してから、二十五キロ以上太ったみたいで、おばさんは『詐欺だ』と嘆いている。



