再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~

弁当の配達を二件終え、少し遅めの昼休憩を取る。
ここ最近、配達の件数は少しずつ増えてきていた。

本当は配達にもっと力を入れたいところだけど、現状では人手が足りない。
この前、おじさんに配達に関して相談すると『何人かパートを雇うつもり』と言っていた。
これで人材不足は解消されそうだ。

休憩時間はご飯を食べたり、スマホを弄ったり、パートの人と雑談したりとのんびり過ごす。
今日は私ひとりだったので、軽く食事を済ませ、早めに休憩を切り上げて店に出た。

「美桜ちゃん、肉じゃがと野菜炒めと春巻きが出来上がったよ」

「はーい」

おばさんに声をかけられ、私は惣菜をパックに詰めて蓋を閉める。
秤にのせると重さが表示され、その数字に応じて値段が決まる。
ラベルプリンターから出てきた値札をパックに貼り付けていく。
それが終わるとテーブルに並べ、手書きのポップを添えた。

「こんにちは」

「いらっしゃいませ。あっ、安子さん」

店に入ってきた初老の女性を、私は笑顔で迎える。

上村安子(かみむらやすこ)さんといって、近所に住んでいるおばあちゃんだ。

数年前に旦那さんを亡くし、今はひとり暮らし。
そんな安子さんは、老人会の友人に誘われてゲートボールをしたり、旅行に出かけたりと、すごくアクティブだ。
年齢を感じさせない元気さに、いつも感心してしまう。