再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~


思い出すのは、小学校の卒業式の日のこと。

あの日は、少し長くなった前髪を、桜の飾りのついたピンで留め、額が見えるようにした。
この桜のピンは、去年の誕生日プレゼントに両親に買ってもらったものだ。
すごくお気に入りで、大切な日に使おうと思っていた。

鏡の前で向きを直して整える。
横の髪の毛は母に編み込んでもらい、ハーフアップにして学校に行った。

無事に卒業式が終わり、みんなで写真を撮っていたら、テツがこちらにやってくるのが見えた。
どうしたんだろう。
不思議に思っていると、テツは私の目の前に立ち、鋭い視線を向けながら口を開いた。

『お前、なんでデコ出してんだよ。ブスなんだから顔を隠せよ』

吐き捨てるように言われ、頭の中が真っ白になった。
どうしてあんな酷いことを言われないといけないんだろう。
悔しさと悲しさで唇を噛んだ。
テツを睨みつけ、前髪につけていたピンを外すと思いきり投げつけた。

もう、こんなやつの顔なんて二度と見たくない。
私はその場から走り出した。

幼稚園の頃のテツはすごく優しくて、可愛くて、私は本当に大好きだった。

この気持ちが恋だということに気付いたのは、小学校低学年の頃だ。
テツが他の女の子と仲良く話している姿を見て、心がモヤモヤして母に相談した。