その子は山の反対側にしゃがみ、手で砂を掘り始めた。
私も山が崩れないよう、慎重に掘っていく。
トンネルを貫通させた瞬間、その子の手と触れ合った。
私は嬉しくなって、そのままギュッと手を握ると、その子はみるみるうちに顔を真っ赤にした。
『ねぇ、なまえおしえて?』
『……てっぺい』
『えっ、てっぺい……くん?』
『うん』
てっぺいと名乗った子は、手をもじもじと動かしながら、恥ずかしそうに頷いた。
名前を聞いた瞬間、その子が男の子だと気づく。
ふんわりとした髪に大きな瞳、どう見ても可愛くて、女の私は完全に負けていた。
それから、その子は私と同じ幼稚園に通い始め、毎日のように一緒に遊んだ。
私は『テツ』と呼び、テツは私のことを『美桜ちゃん』と呼んだ。
控えめな性格のテツは、いつも私の後ろをついて歩くような子だった。
だけど、小学校高学年になる頃には、それが一変した。
気がつくと、私のことは『美桜』と呼び捨てで呼ぶようになっていた。
可愛かった顔はすっかりイケメンになり、身長もぐんと伸び、控えめだった性格はどこへやら。
文武両道でクラスの人気者。
そんなテツの周りには、常に人が集まり、学校では私が近寄れる雰囲気ではなくなっていた。
だけど、家の近所で会えば、短いながらも会話はする。
幼なじみという関係は、この先もずっと変わらず続くと思っていた。
あの日までは――。
私も山が崩れないよう、慎重に掘っていく。
トンネルを貫通させた瞬間、その子の手と触れ合った。
私は嬉しくなって、そのままギュッと手を握ると、その子はみるみるうちに顔を真っ赤にした。
『ねぇ、なまえおしえて?』
『……てっぺい』
『えっ、てっぺい……くん?』
『うん』
てっぺいと名乗った子は、手をもじもじと動かしながら、恥ずかしそうに頷いた。
名前を聞いた瞬間、その子が男の子だと気づく。
ふんわりとした髪に大きな瞳、どう見ても可愛くて、女の私は完全に負けていた。
それから、その子は私と同じ幼稚園に通い始め、毎日のように一緒に遊んだ。
私は『テツ』と呼び、テツは私のことを『美桜ちゃん』と呼んだ。
控えめな性格のテツは、いつも私の後ろをついて歩くような子だった。
だけど、小学校高学年になる頃には、それが一変した。
気がつくと、私のことは『美桜』と呼び捨てで呼ぶようになっていた。
可愛かった顔はすっかりイケメンになり、身長もぐんと伸び、控えめだった性格はどこへやら。
文武両道でクラスの人気者。
そんなテツの周りには、常に人が集まり、学校では私が近寄れる雰囲気ではなくなっていた。
だけど、家の近所で会えば、短いながらも会話はする。
幼なじみという関係は、この先もずっと変わらず続くと思っていた。
あの日までは――。



