私の知らない婚約者

さっきお母さんに

「紫苑くんのこと話すからリビングに来てちょうだい」

と言われたから来たけど…

「なんで大雅さんもいるの?!」

なんかあともう一人、車運転してた人がいる。

「なんでって俺のことなんだから、俺がいるのは当たり前だろー」

さぞ当たり前のように言っててコワい。

「じゃあ、改めて自己紹介してもらいましょうか」

「俺の名前は紫苑!狼谷 紫苑(かみや しおん)だ。モモちゃんの許嫁だ!」

「えっ…まったくわからないんだけど。」

「すみません。桃様、私、高橋が説明いたします。」

まともそうな人でよかった。

「彼、狼谷 紫苑様は、狼谷家の次期当主でございます。それと桃様とは9年前許嫁の関係でございました。」

「えっ…それってどういう…」

「桃様は、烏兎沼家のご令嬢でした。しかし9年前に、大規模爆破テロでご両親は亡くなってしまい、烏兎沼家は…」

「そんな…」

「そして、桃様は、この事件により記憶喪失になってしまいました。」

だから幼少期の記憶がなかったのか。
−−ぐわん
…!
あ、頭がい痛い…

「モモちゃん!」

そこで私の意識は途切れた。