「あきー! 起きて! お願い、今日一緒にライブ行ってくれない!?」
ある休日の朝。
私は隣の家のあきの部屋に転がり込み、ベッドの横で必死に手を合わせていた。
今日は私の大好きなアイドル『MISSA』のライブの日なんだけど、一緒に行くはずだった友達が急に熱を出してしまって、チケットが1枚余ってしまったのだ。
「んん……朝からうるさい……」
あきは眠そうに目をこすりながら体を起こすと、うざそうにこちらを見てきた。
「ミッサ?の曲、俺一曲も知らんけど」
「大丈夫! 全然知らなくても、可愛い女の子たちが踊ってるの見るだけで楽しいから! 一人で会場行くの心細くて……チケット代出すから、お願い!」
私が拝み倒すと、あきは「ふぁあ」と小さく欠伸をしてから、呆れたようにふにゃっと柔らかく笑った。
「しょうかない。……チケット代はいいから、帰りに駅前のクレープ奢って。とりあえず着替えるから、下で待ってて」
「あき!! ほんと神様! ありがとう!」
こうして、暁を私の推し活に付き合わせる事になった。
