春になると記憶が欠ける

「朝陽くーん?」
「なあに、春ちゃん。どうしたの?」
「えへへ、呼んだだけー」

季節は春。でも、空気は夏のものだった。
まるで、世界がふたつあるかのようだ。
私と朝陽の楽しかった日常が、だんだんと崩れていく春。
いつからだろう、こうなってしまったのは…。