紺桔梗の転調




 ほぼ0に近しい確率がひっくり返って来た時の、曜汰を容易に受け入れる周りの反応に、絶対にモヤつく自分が想像できるのだ。

 曜汰は基本、高ちゃんと二人でか、一人でいる。知らない間に、その輪に、あの子がスルッと入った。




 ──あれ、戻ってきた。

 小柄でショートカットのあの子が一人、広い講義室の真ん中で何かを拾う。パスケース? 学生証?

 窓際、一番後ろの席から眺めている私の存在など知る由もなく、彼女は早足で講義室を出て行った。曜汰と高ちゃんが待ってるのかな。

 私と曜汰と高ちゃんの三人になる時もあるけど、あぁいうのと違う。

 なんか、無性に羨ましかった。

 雨降る昼休みが、早く終わってしまえばいいと思った。








挿絵・にじジャーニーで作成